
あらすじ
着物の品評をしている夢を見たという話だが、その実、文芸批評ではないかという見解もある。 黄びらの着物を着た男が芥川龍之介自身。 夢を見た。料理屋のような広い座敷に大勢の人が集まって着物の品評をしている。 ひとりの痩せた男が着ている紋の付いた黄びらの着物が気に入らないようで、先ほどから槍玉に挙げられていた。 痩せた男は、品評に一段落ついた所で足早に座敷から出ていくと、自宅に帰ってしまう。 部屋で胡坐をかきタバコをふかし始めた男は、何か言ったように思うが、目が覚めてしまった今はもう思い出せない。 芥川龍之介(あくたがわ・りゅうのすけ) 大正期の小説家。1892年東京都生まれ。東大卒。乳児期から母方の実家で育てられた。 東京帝国大学在学中の1916年に第四次「新思潮」創刊号に発表した「鼻」が夏目漱石に絶賛され 文壇にデビューする。初期の古典を材料にした「羅生門」「芋粥」「地獄変」などの名作を経て、「点鬼簿」「歯車」など自己の周辺にテーマを得た作品に移行。 様々なトラブルで心身とも衰弱し、1927年に自殺して36歳の若さでこの世を去る。 没後、親友である菊池寛によって、芥川賞が創設された。