
あらすじ
住む家、住む家に不思議と蔦がある。よほど縁がある。老婢のまきは自然や草木に対して無関心であったが、さすがに見事な蔦に感心した様子だ。身寄りとは仲たがいをし、子供一人いない薄倖な老婢まきは、何かに愛を見出そうとしているのか。そんな時、蔦の芽を子供たちがちぎって遊んでいた。その中には、まきがよくお茶を買いに足を運ぶお店のひろ子がいた。まきは、叱りつけたものの、ひろ子を叱ることもまきの日常になっていた。元来、飽きやすい子供が蔦の芽をつむのを止めてしまうと、まきはとても寂しそうに過ごしていた。ひろ子は、親を亡くし伯母夫婦に育てられていた。そんな孤独を背負ったひろ子にまきは少なからず愛情を持っていたのか、次の家へ引っ越してからも、見知らぬ背の届かない子供が近くまで来ると抱き上げ、蔦の芽を摘み取らせてやるのだった。