
あらすじ
<内容紹介> 元刑事が出会ったひとつの事件。材木屋の主人である金兵衛が殺害されたことで物語がはじまる。 単純明快な事件に見えたが、捜査は思うように進まない。現場には証拠物件がなく、アリバイのない人間もいない。なんといっても金兵衛は誰にも殺されないような男だった。 前科者やごろつきを調べても疑わしい人間はいない。そんな時、捜査中に金兵衛の妾である芸妓・愛子に出会う。この芸妓、顔をじっと見つめる眼差しが何ともなつっこい。 ひどい近眼で思わず勘違いされることが多かった。そんな愛子を調べて何の手がかりも見つからず。 しかし刑事の勘どころか、愛子の素性を調べ客の中に好きになった人はいないか尋ねる。結局分かったのは愛子が惚れた男がいたことくらいだった。 まさか刑事はこの男の存在が後に事件とか変わることをこの時は知らなかった。ついに事件は迷宮入りに。そして、1年後に思いがけない形で愛子が事件に関わってくる。 金兵衛の事件をすっかり忘れている時分。愛子が刑事に面会を求めてきた。長年の勘から何か重大な手がかりを持っているに違いない。 面会室へ向かうと以前の面影のない愛子がそこにはいた。金兵衛の死後、愛子はさまざまな出来事からやつれていた。話もほどほどに愛子は一枚の手紙を差し出す。 手紙に書かれた内容によって事件は思わぬ方向へ進んで行く。 <夢野久作(ゆめの・きゅうさく)> 日本の小説家、SF作家、探偵小説家、幻想文学作家。 1889年(明治22年)1月4日 - 1936年(昭和11年)3月11日。 他の筆名に海若藍平、香倶土三鳥など。現在では、夢久、夢Qなどと呼ばれることもある。福岡県福岡市出身。日本探偵小説三大奇書の一つに数えられる畢生の奇書『ドグラ・マグラ』をはじめ、怪奇色と幻想性の色濃い作風で名高い。またホラー的な作品もある。