
月と手袋
あらすじ
映画シナリオ・ライター北村克彦は、友人・股野の妻であり、元女優で旧知であるあけみと本気で愛し合う関係となっていた。 ある月夜、克彦は股野に自宅へと呼び出される。 股野は破格の慰謝料に加え、あけみとの関係を断つこと、さらには、克彦への肉体上の制裁を与えることを要求する。 暴力に対し克彦は股野に掴みかかり、もみあいの末、ついに克彦は股野の首を絞め殺害してしまう。 追い詰められた克彦は、仮想犯人のシナリオを想起し、あけみと共に演じ切ることを決意する……。 事件から二ヵ月近くが過ぎ、克彦とあけみは幸福な日々を過ごしていた。 警視庁の花田警部とも懇意となり、疑われる余地は微塵も無い、と。 しかしそんなある日、ふいに花田警部の口から告げられたのは『明智小五郎』の名……。 想定外の登場人物に狼狽する克彦とあけみ。 果たして、二人が演じるシナリオはどのような結末へと向かうのか……。 明智シリーズではお馴染みともいえる花田警部も活躍する、倒叙ミステリー。