
ペルゴレーズ街の殺人事件
あらすじ
犯人の手がかりも動機も不明な、不可思議な殺人事件が起きた。捕まりっこないと思われていたが、警察の検証をした医師はある手がかりを見つけた。 夜汽車という舞台で起こる4人の会話と描写の中にひそむ伏線を味わう短編ミステリー。 列車の車室には4人の乗客がいた。老紳士と、若い男とその妻、そして警察の嘱託医の私だ。闇の中を走る長い夜汽車の中で、若い妻は退屈しのぎに新聞を読む。 新聞紙上で騒がれている不可思議で巧妙な殺人事件の続報が気になってしかたないのだ。深夜二時の車室で、老紳士と若い夫婦は事件についてあれこれと憶測を語る。 どう考えても捕まりっこないと。しかし、その事件を検証した医師の私は、ついうっかり口をすべらせてしまい……。 モーリス・ルヴェルはフランスの作家。「フランスのポー」と言われ、恐怖や悲哀を主題とした残酷物語の短編を多く残しています。 日本においても新青年等に翻訳紹介され、探偵小説の読者を熱狂させたほか、江戸川乱歩、夢野久作、小酒井不木などに絶賛されました。 乱歩は「淋しさ、悲しさ、怖さがルヴェルの短編の随所に漂っている」と言い、久作は「探偵小説で一番好きなのはルヴェルとポーだ」と言っています。 またラヴクラフトは自身のエッセイの中でルヴェルを絶賛し、アメリカと日本でのルヴェルの認知に多く貢献しました。 現在新たな翻訳が出版され、母国フランスや日本においてルヴェルの評価が再認識されています。