
あらすじ
「碧眼」と呼ばれた娼婦が亡くなった恋人との約束で、墓になんとか花を供えようとする。しかし皮肉な結末が待っていた。 かつて「碧眼」と呼ばれた美しい娼婦だった女は、今は病気で入院して顔も体もやつれていた。しかし、今日はどうしても外へ出たいと医員に頼み込む。 恋人の墓に花を供える、そう約束したのだ。許しを得て病院を出た女は、かつて仕事で使っていたホテルへと行く。 ここは階下がカッフェになっていて、かつての仲間たちもそこに巣くっている。 彼女はそこで自分の着物を取ってから、墓地へ向かったが、やはり花を供えたかった。そう約束したから。 しかし花を買う金がない。今の彼女が金を作る方法はひとつしかなかった モーリス・ルヴェルはフランスの作家。「フランスのポー」と言われ、恐怖や悲哀を主題とした残酷物語の短編を多く残しています。 日本においても新青年等に翻訳紹介され、探偵小説の読者を熱狂させたほか、江戸川乱歩、夢野久作、小酒井不木などに絶賛されました。 乱歩は「淋しさ、悲しさ、怖さがルヴェルの短編の随所に漂っている」と言い、久作は「探偵小説で一番好きなのはルヴェルとポーだ」と言っています。 またラヴクラフトは自身のエッセイの中でルヴェルを絶賛し、アメリカと日本でのルヴェルの認知に多く貢献しました。 現在新たな翻訳が出版され、母国フランスや日本においてルヴェルの評価が再認識されています。