
あらすじ
<内容紹介> 南北朝時代の琵琶法師・覚一(かくいち)が1371年に完成させたといわれる覚一本を、割愛することなく原文のまますべて収録しています。 治承四年六月三日、福原へ行幸あるべしとて、京中ひしめきあへり。此日ごろ都うつりあるべしときこえしかども、忽ちに今明の程とは思はざりつるに、こはいかにとて、上下さわぎあへり。(巻第五・都遷) <巻第五 収録内容> 巻第五は、治承四年(1180年)六月から治承五年(1181年)に至るまでを描く。福原の都は半年で終わり、いよいよ源頼朝が挙兵する。 平清盛は突然、福原に都を遷す。世の人々が混乱するなか、源頼朝は文覚のすすめで平氏に反旗をひるがえす。平氏は追討軍を出すが、東国武士に恐れをなして、富士川で戦わずして敗走する。 福原遷都に対する非難が高まり、清盛はわずか半年で都を京都に戻すことになる。平氏は、近江源氏の討伐に続いて、奈良へ軍勢を向け、以仁王に荷担した南都の僧たちを討ち、奈良の寺々を焼き払うのだった。 01 都遷(みやこうつり) 02 月見(つきみ) 03 物怪之沙汰(もっけのさた) 04 早馬(はやうま) 05 朝敵揃(ちょうてきぞろえ) 06 咸陽宮(かんようきゅう) 07 文覚荒行(もんがくのあらぎょう) 08 勧進帳(かんじんちょう) 09 文覚被流(もんがくながされ) 10 福原院宣(ふくはらいんぜん) 11 富士川(ふじがわ) 12 五節之沙汰(ごせつのさた) 13 都帰(みやこがえり) 14 奈良炎上(ならえんしょう) <作者・成立> 作者未詳。『徒然草』に、平家物語の作者は信濃前司行長(しなののぜんじゆきなが)という記述があるが、確証はなく異説も多い。 成立は十三世紀初めごろ。琵琶法師の平曲によって全国に広まったため、巻数や内容の差異があるさまざまな異本が伝わる。当初は三巻本であったが、十二巻本に増補され、さらに灌頂巻(かんじょうのまき)が加わった覚一本が現在ではよく知られている。覚一本は、琵琶の名手・覚一(かくいち)が1371年に完成させたものといわれる。 <朗読:岡崎 弥保(おかざき・みほ)> 俳優・語り手。 東京女子大学卒業、同大学院修了(日本古典文学専攻)。言葉の力に魅せられ、編集者を経て、俳優・語り手に。演劇・語りの舞台に数多く出演。2010年朗読コンクール優勝(NPO日本朗読文化協会主催)。俳句