
「自営型」で働く時代――ジョブ型雇用はもう古い!
あらすじ
自営業のように一人でまとまった仕事をこなす「自営型」呼ぶべき働き方は、生産性向上と人材不足対策の切り札になる! 「働き方改革」といえば数年前までは長時間労働の是正がメインテーマだったが、労働時間の短縮が急速に進んだ結果、主役の座はジョブ型の導入に移った感がある。ビジネスの世界でも、「日本の伝統的なメンバーシップ型から欧米式のジョブ型へ」というフレーズが、あたかも既定路線のように独り歩きしている。 しかし冷静に考えれば日本式のメンバーシップ型か、欧米式のジョブ型かという単純な二項対立図式が、いかに現実をとらえる視線をゆがめているかがわかるはずだ。たとえば日本人労働者のほぼ四割を占めるパート、アルバイト、派遣といった非正規従業員はメンバーシップ型よりジョブ型雇用に近いし、欧米企業でも上級管理職は「ジョブ」というより「ミッション」に基づいて仕事をする。ついでにいえばアルバイトやインターネット経由で単発の仕事を請け負うギグワーカーの労働条件を見たら、ジョブ型の未来が必ずしもバラ色でないことは容易に想像できるだろう。 ビジネスや労働の世界では、新たな第三の働き方が静かに、しかし急速に広がっている。そして企業の経営者も、働く人々も、めざしている視線の先はそちらを向いている。雇用かフリーランスか、言い換えれば組織に属しているか否かにかかわらず、半ば自営業のようにある程度まとまった仕事を一人でこなす「自営型」と呼ぶべき働き方である。 本書では新たな働き方のモデルとして、なぜジョブ型ではなく「自営型」なのか、自営型の絶対的な優位性はどこにあるのか、その恩恵を企業、個人、社会が得るには何を、どう変えていくべきかについて、具体的な事例やデータを盛り込みながら解説していく。 【著者紹介】 [著]太田 肇(おおた・はじめ) 経済学博士。同志社大学政策学部教授(大学院総合政策科学研究科教授を兼任)。 兵庫県出身。日本における組織論の第一人者として著作のほか、マスコミでの発言、講演なども積極的にこなす。また猫との暮らしがNHKで紹介されるなど、愛猫家としても知られる。近著は、『何もしないほうが得な日本 ― 社会に広がる「消極的利己主義」の構造』(PHP新書、二〇二二年)、『日本人の承認欲求 ― テレワークがさらした深層』(新潮新書、二〇二二年)、『同調圧力の正体』(PHP新書、二〇二一年)、『「