
あらすじ
~働くことは愛する人を守ること!~ 一週間前、僕は東京へ戻ってきた。 「一日付けで営業部三課主任に任命する」 僕を迎えたのは一枚の辞令だった。 「営業って適当なこといって、お客さんの気分を良くすりゃいいんでしょ。俺、学生時代からかなりいい線いってましたから」 水口というその新人は、背もたれにダラしなく身体を投げ出して問いかけてきた。 僕の頭はめまぐるしく回転し続けていた。 初めて部下を持った。それも突然に。記念すべき最初の部下がこの男だ。 僕に部下の育成などできるのか・・・。 ---------------------------- 「水口はなんで営業を希望したの?」 「言ったじゃないですか、小林先輩に憧れたって」 「それだけの理由?」 「そりゃあ、他にもありますよ」 「他って?」 「営業って自分の仕事の結果がハッキリ数字に出るでしょ」 「そうだね・・・」 「そこでトップだったら、最強ってことですよね」 「最強?」 「そうっすよ。会社の売り上げを支える男じゃないっすか。」 「水口はトップになりたいんだ」 「もちろんです、なにを当たり前のことを・・・」 「トップになってどうしたいの?」 「いいですか、トップになるってことは、誰よりも早く出世ができて、ボーナスや給料だって誰よりもたくさん貰えて、そうですね・・・。そうなると六本木あたりで業界人と飲み歩いて、その後はお決まりのモデルあたりの彼女を作って・・・」 「お決まりなの?」 「あたり前っすよ。そして誰よりもいい車に乗って、誰よりもおしゃれなマンションに住んで・・・あとは・・・」 「それって全部なんのため?」 ---------------------------- 前作同様、完全ドラマスタイルにて収録。 返事の基本とその理由。部下に賭けてみる勇気の効果。使ってよい言葉、悪い言葉。「知っている」ことと「判っている」ことの違い。辛抱の大切さ。歴史と師匠に学ぶ人生の在り方。傍楽(働く)ことの本当の意味とは。 日々の生活に追われ、忘れかけていた仕事の在り方、生き方を教えてくれる一冊。(C)Shinji Nakamura,2008