
日本怪談全集 二
あらすじ
内容紹介怪談文芸の大家としても知られた田中貢太郎が二十年の歳月を費やして集め得た、怪異恐怖記録の集大成 第二弾、32話収録怪談文学の第一人者ともいえる田中貢太郎が、二十年に渡って書き上げてきた作品を蒐集した「日本怪談全集」。第二巻の登場です。猛暑のお供には魂が震えあがるような怪談が一番!涼しい夏を送りませんか……?「雀が森の怪異」 六月末のある夜のこと。彼は学期試験に向けて、夜が更けるのも忘れてノートと首っぴきしていた。そんな最中、彼は洋燈の石油の泡のような匂いがあって、それがノートのページを繰るたびにそそりと動くのに気付く。続いて聞こえたのはかすかな足音であった。「何人だろう」彼がそう思ったとたん、白い衣服を着た青年が障子を開けて入ってきた。青年は遠く離れた故郷にいるはずの友人だった……「一緒に歩く亡霊」奥州のあるところに甚六と云う百姓があった。冷酷無情な甚六は、未亡人である姉の子フジを不承不承に引き取るが、いじめていじめていじめぬいた挙句、ちょっとした品物が無くなると、これもその所業だと云って、泣き叫ぶフジを裏の栗の木に縛りつけて飯も与えず、夜になってもそのまま放っておく始末だった。冬の寒い寒いある日、例のごとく栗の木に縛り付けられていたフジは、とうとう凍えて死んでしまった。その後、甚六の周りで奇怪な出来事が起こるようになった……収録内容雀が森の怪異参宮がえりとんだ屋の客海嘯のあと宇賀長者物語頼朝の最後怪人の眼赤い花あかんぼの首地獄の使尼になった老婆岐阜提灯花の咲く比牡蠣船宝蔵の短刀蠅供養蟹の怪累物語竈の中の顔一緒に歩く亡霊切支丹転び法衣車屋の小供薬指の曲り港の妖婦女の首庭の怪女の怪異怪僧妖怪記人面瘡物語料理番と婢の姿田中貢太郎(たなか こうたろう)田中貢太郎は日本の作家。高知県出身。号は桃葉。『田岡嶺雲・幸徳秋水・奥宮健之追懐録』が出世作となる。「中央公論」の「説苑(ぜいえん)」欄に実録,情話,怪異譚を書き、井伏鱒二・尾崎士郎らと随筆誌『博浪抄』を創刊。著作は伝記物、紀行文、随想集、情話物、怪談・奇談など多岐に渡る。代表作『旋風時代』では明治維新の顕官の情痴の生活を奔放に描いて独自の境地を開いた。1940年菊池寛賞受賞。『怪談青灯集』など怪談物も書き,『聊斎志異 (りょうさいしい) 』の翻訳もある。(c)2017 Pan Rolling